塗装について
Contents
1.塗装の種類
一般的な無垢材家具には塗装の方法は大きく分けて2つあります。
ウレタン仕上げとオイル仕上げです。当社では主にオイル仕上げを施しています。簡単に言うとそれぞれ耐水性とメンテンス性が大きく違うという認識を持っていただければ良いかと思います。
当社のオイル仕上げについて知りたい方は3.オイル塗装の特徴からお読みください。
1.1ウレタン塗装
ウレタン塗装とは木の表面にウレタンの膜を付ける塗装方法です。工場にてスプレーガンを用いて均一に吹いて塗装します。
膜を付けるので木の表面がウレタンの層に隠れます。ですのでウレタン塗装がほどこされた家具は、実際に触っているのはウレタン膜となります。
1.2オイル塗装
オイル塗装は亜麻仁油などの乾いたら固まる性質のあるオイル(又はそれら自然素材を配合した塗料)を用いて行う塗装方法です。
オイル塗装は木の内部に浸透して固まるため、表面は木の質感そのものとなります。主に刷毛やウエス(布)で表面に塗布していきます。
2.ウレタン塗装の特徴
ウレタン塗装の特徴について説明します。inahono furnitureではご要望があった場合にのみ実施しています。
2.1 ウレタン塗装のメリット
ウレタン塗装のメリットは何と言ってもその耐水性です。表面に膜を作るため水を木に染みこませません。
ということはテーブルなど水分がかかるところでも、染みにならず拭いてしまえば綺麗になります。日々の掃除がとても楽なのです。
2.2 ウレタン塗装のデメリット
デメリットはメンテナンスが大変・木の質感が味わえないということです。
ウレタン塗装はスプレーガンで吹き付けで塗装をするため、家庭でのメンテナンスができません。
ウレタン塗装は経年変化で黄味がかってきたり、塗膜が剥がれてきたりします。その場合には工場に持ち帰り、塗膜を全て剥がしてから塗装を実施する必要があるのです。
また木の表面に塗膜があるので触った感じはツルツルのウレタン膜です。木の温かみが感じにくいでしょう。
3.オイル塗装の特徴
オイル塗装の特徴を説明します。inahono furnitureでは主にオイル塗装を施しています。
3.1オイル塗装のメリット
オイル塗装のメリットは経年変化・質感・メンテナンス性です。
3.1.1 質感
オイル塗装は木の表面に膜を作らないので、私たちが触っているのは木肌そのものです。しっかりと鉋がけ、研磨された木の表面は何とも言えない触り心地。ツルツル・サラサラ。樹種によっても違います。
その質感がダイレクトに味わえるのがオイル塗布の良い所。
最初はツルツルだったものが、少しオイル分が抜けてカサカサしてきたり。オイルをたしてあげたらまたしっとり。まるで人の肌のようです。
3.1.2 経年変化
木を削って家具になったときは、木の表面は新品そのもの。赤ちゃんの肌みたいなものです。それから空気に触れて光に照らされて木の色味が変化していきます。
どんどん濃くなってきたり、淡い色味になってきたり、そしてメンテをする毎に深みが出てきたり。この変化を経年変化と呼んでいて、無垢材の家具を育てる楽しみの1つです。
3.1.3 メンテナンス性
オイル塗装のメンテナンスはとても簡単。
専用のオイルをウエス(古くなったTシャツでOK)に付けて塗るだけ。余分なオイルを乾いたウエスで拭き取り、乾燥を待てば完了です。
少しくらいの傷なら目立たなくなります。気になる傷があったらホームセンターで買ってきたサンドペーパーで軽く削って修復も出来ます。(初めての時は怖いと思いますので、練習用の木を提供したり、やり方をレクチャー致します!)
アイロンを使えば凹みも元に戻すこともできます。
そんなに頻繁にメンテは必要なく年に2回もやればOKです。
3.2 オイル塗装のデメリット
デメリットは耐水性がないこと。水滴がついたコップなどを長時間放置すると輪染みと呼ばれる跡がついてしまいます。また汚れも染みこみやすいでしょう。
4.まとめ
どちらの塗装方法も良い点・悪い点はあります。
少しの傷や染みも思い出になったり、家具を自分でメンテすることで愛着が持てたりとオイル塗装の方が当社の思いと合うため、オイル塗装を選択しています。
実際メンテをすると傷や染みも目立たなくなったり周りに馴染んだりします。長く使う家具については自分でメンテナンスできるオイル塗装の方が利点が多い気がします。
またinahono furnitureではテーブルについてはウレタンオイルという、耐水性のあるオイルを使用しています。ウレタンに近い耐水性を持ちつつ質感・メンテナンス性はオイルと同等という塗料です。
当社では長く使ってもらいたいと思い家具を製作しています。家具と共に思い出を作っていってもらえたら嬉しいです。
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